広告: 本記事には紹介リンクを含みます。

今週の要点

  • 2026年9月15日から9月21日のAIゲームでは、東京ゲームショウ2026(9月17日〜21日)が国内の展示の中心となり、ライセンスIPのAIチャットRPG、子ども向けAI支援UGC、オフラインAI対戦ボード、生成AI体験型インディーの試遊が同時に並びました。
  • 国内では、UravationがAIエージェント制作のブラウザゲーム6本を公開し、王将果樹園でAI果物探索ゲーム「Omni Scouter」の有償実証が始まりました。SpiralAIの『SophieChat:AI』は5つの原則でAI利用範囲を切り分け、レベルファイブ物議直後のTGSでも開示設計が注目されました。
  • 海外では、Steamで9月16日に配信された『The Override Protocol』が、プレイ中の生成は行わず開発時の生成AI素材を焼き込む開示型のRTSとしてリリースされました。

対象期間は2026年9月15日から2026年9月21日までです。ゲーム作品、IP連携、体験型コンテンツ、Steam開示に直接関わる一次情報に絞り、基盤モデル単体やAPIのみの更新は扱いません。

今週押さえたい動き

今週の軸は、AIの置き方が「体験の核」「制作エージェント」「施設連動」「開示と権利の切り分け」に分かれたことです。

TGSでは、Defiosの会話ホラーと掛け声採点、SpiralAIのソフィー版チャットRPG、Bufffのmini JAMMM、マゼビスジャパンのAI GOが、会場とストア・事前登録の両方で同時に見えました。いずれも「何にAIを使い、何を人の手で守るか」を説明の一部にしています。

制作面では、Uravationが1日でエージェントに6本の庭パズルを任せ、Playwrightによる5端末テストとYouTube Playables申込まで示しました。施設面では、Omni Scouterが桃狩り104名のデータを踏まえ、ぶどう狩り向け300円・10分の有償実証へ移行しています。

国内の動き

東京ゲームショウ2026:チャットRPG、子どもUGC、体験型インディー、AIボード

9月17日から21日の東京ゲームショウ2026で、AIゲーム関連の展示が本番入りしました。

SpiralAIは9月18日、コーエーテクモゲームスブースで『ソフィーのアトリエ』原作のAIチャットRPG『SophieChat:AI』を開発中と発表し、事前登録を開始しました。フリーシナリオ型で会話だけで旅・調合・戦闘が進み、絵と映像は人手制作、テキストは自社SpiralLLM、声は相坂優歌さんの収録音声ベースの合成と5つの原則で範囲を明示しています。『RyzaChat:AI』の累計1500万発話超えも併記され、ライセンスIPのAI会話化がTGSの目玉になりました。

Bufffは9月19日の一般公開初日から、ファミリーゲームパーク「マナビバ!」で「mini JAMMM」を初出展しました。子どもが描いた絵や写真をAI支援でミニゲーム化し、完成品はWebリンクで持ち帰れる体験です。経産省IP360採択の「JAMMM」基盤の入口として、9月19日12時のキッズステージでもライブデモが行われました。

Defiosはブース03-N02で、生成AIを体験の核に据えた『Do I Know You?』と『マッスルキングダム』の試遊を継続しました。会話推理と掛け声採点という、プレイ中にAIが直接関わる国内インディー型の実機確認点です。

マゼビスジャパンは9月16日にMakuake先行販売を始めたAI搭載ボードゲーム「AI GO」を、9月17日から11ホール E-21で体験展示しました。囲碁など7種がオフラインAI対戦に対応し、スマホを置いて卓上で遊ぶ製品型として、画面外のAI体験をTGSで見せる例になりました。

Uravation:AIエージェントが1日で6本のブラウザパズルを公開

株式会社Uravationは9月14日のプレスリリースで、社内AIエージェント「オーくん」が設計から実装・テストまで担ったブラウザゲーム6本の公開を発表しました(配信は9月12日)。人間が決めたのは庭テーマと公開方針のみで、制作は同社説明どおり1日で完了したとしています。

Petal SortやVine Linkなどはソルバーで可解性を確認し、Playwrightで5端末構成の自動テストを実施。6本と既存のAGENT RUSHを合わせ7本をYouTube Playablesへ申込しました。CyberAgentのSBPCGやStall Questの工程別開示と並ぶ国内の「AI支援で小さく出す」流れの中で、エージェントがQAまで含めて担う事例として位置づけられます。

Omni Scouter:観光農園でAI果物探索の有償実証へ

合同会社ミヤビイノベーションは9月15日、山形・王将果樹園での「AI果物探索ゲーム」Omni Scouterについて、8月の桃狩り無料体験104名・アンケート高評価を公表しました。9月12日から土日祝限定でぶどう狩り向け有償実証(1回300円・最大10分)が始まり、ミッションクリアで売店300円クーポンがもらえる来園動線も試されています。

南知多の「サカナクエスト」に代表される、現実空間とAI判定を結ぶ体験型ゲームの国内事例が、水族館から観光農園へ広がる週になりました。

海外の動き

The Override Protocol:覚醒AI RTSと開発時生成AIの焼き込み開示

SergTech2000の『The Override Protocol』は2026年9月16日にSteamで配信されました。プレイヤーは覚醒したAIとして3Dグローブ上で拡散し、人類のカウンター措置を避けながら支配を目指すRTSです。5つのAIアーキタイプ、15地域の開始地点、都市ディオラマへのズームなど、テーマ自体が人工知能の拡散と社会反応を描きます。

SteamのAI Generated Content開示では、ストア用2Dアートや一部音楽に開発時の生成AIを使用し、ゲームデザイン・シミュレーション・コード・ゲーム内テキストは開発者が制作したと明記。プレイ中のライブ生成や外部AIサービス接続は行わない設計です。

日本との比較

国内のSophieChatやDefiosは、対話・採点・会話推理にAIを体験の核として置き、ビジュアルや声は人の手と権利処理で守るハイブリッド型が目立ちました。Uravationは制作工程全体をエージェントに任せ、Omni Scouterは現実探索へのAI判定接続型です。

本作は第四の型として、AIを物語の主人公にしつつ、生成物は事前レンダリングのみとSteamで切り分けます。日本のインディーにとって、TGSで見せる「プレイ中AI」と、Steam開示で示す「ランタイム非生成・工程限定」の両方と対照になる参考例です。レベルファイブ物議や今村氏試作で問われた信頼感に対し、SophieChatの5原則と本作の焼き込み開示は、開示の粒度とナラティブの切り口が異なる点で並んで見られます。

来週見るポイント

来週はTGS2026終了後のフォローとして、『SophieChat:AI』の事前登録数や『Do I Know You?』のSteam反応、mini JAMMMの持ち帰りリンク運用が注目です。AI GOのMakuake進捗と、Defios2作の配信予定も追いたいところです。

国内では、Omni Scouterの有償実証データと、UravationのYouTube Playables審査結果が、施設型・ブラウザ型の収益化仮説を試します。DMMキャラトークのIPチャット継続と、SpiralAI系の開示テンプレが他社IPに広がるかも見どころです。

海外では、『The Override Protocol』のレビューが、AIテーマRTSと開発時生成開示の受け止めを試します。SteamのAI開示が増える流れの中、日本の「体験核型」と「工程・焼き込み限定型」が並ぶ設計論がさらに分化するか確認したい週です。

出典