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この記事の要点
- nowhere filmは、実写・アニメーション・3DCG・AIを横断して映像を企画・制作するサービス「CINEMAI」を2026年8月10日から提供開始した。
- CINEMAIは、AIで映像を生成すること自体ではなく、事業目的から企画、演出、品質管理、権利・機密情報の整理までを人が担う点を前面に出している。
- AI映像制作が、単発の生成ツール利用から、ブランド、広告、IP、番組制作に接続する制作パートナー型へ移りつつある事例として見られる。
何が起きたか
nowhere film株式会社は2026年8月10日、映像ディレクターの崔文駮氏と提携し、AIを活用した映像制作サービス「CINEMAI(シネマイ)」の提供を開始したと発表しました。
CINEMAIは、ブランドや事業の目的を起点に、実写、アニメーション、3DCG、AIを組み合わせて映像を企画・制作するサービスです。発表では「単にAIで映像を生成するサービスではない」と説明され、誰に何を伝え、どのような行動や変化につなげたいのかから制作を設計するとしています。
公式サービスページでも、CINEMAIは「AIを使うことではなく、事業に何を残せるか」を重視し、企画、品質、権利、機密管理まで人が一貫してコントロールするとしています。
AIエンタメとして注目したい点
今回のポイントは、AI映像制作が「生成ツールを使えるか」から「制作責任をどう設計するか」へ移っていることです。
AI動画は、撮影困難な世界観、キャラクター、ロケーションを短期間で試せる一方、企業案件やIP案件では、生成物の利用範囲、既存素材の扱い、機密情報、品質説明が課題になります。CINEMAIはその部分を、プロデューサーやクリエイターが各工程で判断するサービスとして打ち出しています。
これは、昨日取り上げたテレビ朝日の映像フルAIテレビCMともつながる流れです。放送用CMでは、どこにAIを使い、どこに使わないかを説明することが重要でした。CINEMAIのような制作サービスでは、さらに前段の企画段階から、AIで広げる表現と人が責任を持つ判断を分けることが求められます。
制作サービスとしての広がり
CINEMAIの想定ユーザーは、ブランド・事業会社、広告代理店、映像制作会社、IPホルダー、テレビ局・メディア、SNS運用担当者などです。単発の動画納品だけでなく、一つの世界観をテレビCM、Web広告、SNS用縦型動画、イベント映像、デジタルサイネージへ展開する使い方も想定されています。
公式ページでは、IPホルダー向けに、原画やキャラクターを短尺検証からSNS、広告、イベントへ展開する用途も挙げられています。アニメやキャラクター領域では、AIを完成映像の自動生成だけに使うのではなく、企画検証、プリビズ、追加カット、媒体別展開のための制作ラインとして扱う動きが強まりそうです。
読者が今後のAI映像制作事例を見るときは、どのAIモデルを使ったかだけでなく、企画、演出、権利確認、品質管理、媒体展開を誰が担っているかを見ると、エンタメビジネスとしての実装度が分かりやすくなります。
