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この記事の要点

  • UMGとソニーは8月25日、Suno訴訟にYouTubeの「ローリング暗号」を回避して楽曲を取得したとするDMCA第1201条違反の主張を追加した。
  • 修正訴状はYT-DLやYT-DLPの利用を挙げ、Sunoが2025年5月の回答でYouTubeから音声をダウンロードしたと認めた点を根拠にしている。
  • 裁判所は8月18日にこの主張の追加を認めた一方、指紋照合で特定した6万1,026曲の追加請求は却下し、フェアユース判断を優先する方針を示した。

海外事例:メジャーがストリームリッピングを追及

ユニバーサル・ミュージックとソニー・ミュージックは、2026年8月25日、米国マサチューセッツ州連邦地裁に提出した修正訴状で、AI音楽生成サービスSunoがYouTubeの「ローリング暗号」を回避して著作権録音物を取得したと主張しました。Music Business Worldwideの報道によると、Sunoは学習データの「多く(あるいはすべて)」を、いわゆるストリームリッピングで不正ダウンロードしたと訴状は述べています。

裁判官F・デニス・セイラーは8月18日の判決で、DMCA第1201条(a)に基づく主張の追加を認めました。Suno側は「アクセス制御」ではなく「複製制御」の回避であり違法ではないと反論していますが、裁判所は現段階では訴状の主張を十分に具体化していると判断しました。一方、オーディブル・マジックで特定した6万1,026曲の追加請求は、訴訟の複雑化と遅延を避けるため却下されています。

フェアユース判断が核心に

今回の修正は、2024年6月に始まったメジャー各社のSuno訴訟に新たな論点を加えるものです。裁判所は、9月30日までの事実発見終了後、著作権録音物を無許諾で学習させた行為がフェアユースに当たるかを早期に判断すべきだと示唆しています。出力そのものの侵害は、現時点では主張の中心ではなく、学習データの取得方法が争点になっています。

カントリー歌手トニー・ジャスティスらによる集団訴訟でも、同裁判官は8月20日に同等のストリームリッピング主張の却下を拒否しました。BMGがSunoと提携するなどライセンス路線が進む一方、学習データの出所をめぐる法廷闘争は並行して続いています。

日本との比較

日本のクリエイターがSunoや類似サービスを使う場合、利用規約の商用条件だけでなく、学習データの取得方法が海外訴訟でどう評価されるかも無関係ではありません。文化庁のAIと著作権に関する考え方では、学習への著作物利用は原則として権利者の許諾が必要とされ、オプトアウトだけでは足りないと整理されています。

国内ではSpotifyのAI PersonaバッジやApple MusicのMade With AIラベルなど、配信側の開示が進んでいます。YouTube上の日本語楽曲が学習に使われた場合、米国のフェアユース判断やDMCA違反の成否は日本法を直接適用しませんが、権利者・ディストリビューターの審査基準やサービス利用リスクの参考になります。AI生成曲を配信する際は、生成元の開示と権利処理をセットで確認する姿勢がより重要です。

出典