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この記事の要点
- オーストラリアのARIAは8月25日、完全AI生成曲をARIA Chartsの対象外とするルールを確定した。
- 生成AIを補助的に使った「実質的に人間制作」の作品は引き続きチャート入り可能。8月31日付チャートから適用される。
- 7月にIFPIが示したグローバル原則を各国が具体化する流れの一環。違反曲は遡及的除外やARIA賞の剥奪もあり得る。
海外事例:ARIAの新ルール
オーストラリアレコード協会(ARIA)は8月25日、生成AIを用いた録音のチャート適格性について、国際レコード産業連盟(IFPI)の7月原則をARIA Chartsに適用すると発表した。完全AI生成トラックは対象外とし、生成AIを補助的に使った録音は引き続き掲載可能とする。
改定されたCharts Code of Practiceは、8月31日付チャート(8月28日公開)から効力を持つ。生成AIを使った録音が対象になるのは「実質的に人間制作(substantially human made)」かつ「ストリームやチャート操作の疑いがない」場合に限られる。7月10日に音楽業界が示したラベリング基準の定義も参照する。
ARIA CEOのAnnabelle Herd氏は、チャートが無許可AI出力を評価すれば「レコード産業の根幹を損なう」と述べ、ラジオなど配信側にも同様の変更を求めた。不適格と判断された曲は調査拒否、チャートからの除外、認定の取り消し、ARIA #1 Awardの返還要求などが可能だ。
背景:MadonnaカバーとIFPIの枠組み
背景には、7月にオーストラリアのラジオ最多再生となりARIAチャート4位まで上がったJosh Fawaz氏のMadonna「Like a Prayer」カバーがある。AI生成ボーカルとドラムを使ったことが判明し、新ルール下では主要パートがAI生成なら不適格となる可能性が報じられた。
IFPIは7月30日、20超の公式チャートプログラムが同原則を採用すると発表済みだ。Beatportは完全または大半がAI生成の曲を配信禁止とし、SpotifyはAI Personaを推薦から除外する。Apple Musicは年内にMade With AIラベルを表示予定で、開示とチャート適格性の二層が並立しつつある。
日本との比較
日本ではオリコンなど主要チャートがIFPI原則を公式採用した発表はまだない。一方、JASRACは2026年6月、単純な指示でAIが自律生成した楽曲は著作物に該当せず管理対象外と明示した。TuneCoreは100% AI生成を受け付けず、DistroKidはAI利用の開示を必須とするなど、配信段階では人間の創作寄与を問う流れが進んでいる。
ARIAのように「チャートそのものから完全AI生成を除外する」動きは、国内ではこれから議論が本格化する局面と言える。クリエイターは制作過程の記録を残し、配信先の開示ルールと併せて、AI補助作品としての適格性を確認する必要がある。
